新刊チェック(26/02/22-28)&お知らせ

戦争は「結果」であると同時に「道具」でもある
本屋lighthouse 2026.02.04
誰でも

ジョージ・オーウェルの『1984年』は「SF小説」として紹介されることが多いですが、実際にはオーウェルが現実社会を丹念に調べ考察した結晶とでも言うべきもの。自国民以外を敵認定して憎悪の対象とすること、貧困状態を意図的に作ること、大まかにいえばこの2つの組み合わせによって独裁状態が構築&維持されるということ。その最も容易かつ劇的な効果を発揮する手法として、永続的な「戦争状態」にすること。

ニュースピークや思考警察、テレスクリーンといった要素はあくまでもガジェット的なもので、オーウェルが世界に対して書き残したかったことの本質は、上記の構造が生み出されてしまうのを避けることが平和で豊かな社会を維持する方法だ、ということです。

つまり、「他者を憎むべき敵としてみなさないこと」「奪い合うのではなくパイの総量を増やすこと」そしてなによりも「戦争状態が生じないようにすること」、これらを意識して生きていこうというわけです。選挙も同じ。どこに誰に投票すべきか、真剣に考えましょう。最後にもう一度。これはSF小説ではなく、現実の話です。

という内容の投稿とともにオープンのお知らせをして、これから新刊チェックを始めるわけだけども。上記を読んで「現実社会と同じじゃん=危険じゃん」と理解できる人はいいとして、そうではない人にどう理解してもらうかのほうがよっぽど大事で、そのための言葉選びとか文体とかたとえ話とか頭を捻って絞り出す……その積み重ねを諦めずに繰り返していくほかないと思っています。選挙のあとにも生活は続く。終わらせないためにやり続ける。オーウェルが書き残したように、私たちも書き残していきましょう。

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アドリアン・ダウプ『「キャンセル・カルチャー」パニックーーパニックを生み出す言説空間』(青土社)刊行記念イベント 「「キャンセル」という言葉があぶり出すもの、隠すもの」は無事終了しました。アーカイブはこちらから購入可能です。北村さん企画、次回は3月末頃にキャロル・J・クローヴァー『男と女とチェーンソー』(訳:小島朋美/晶文社)で開催予定です。詳細は決まり次第お知らせします。本は来週末(14日)に入荷の見込み!

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・〈店内イベント〉2026年2月8日(日)19時〜21時 スナック社会科vol.15「風雷社中クラファン応援企画・ガイドヘルプってなんだろう」を開催!これもまた選挙後に続いていく生活=抵抗のための足場のひとつ。詳細と申込はこちらから。基本的には無料で参加できます。開票速報真っ只中の開催ですが、こちらもアーカイブありなのでいつでも視聴可能です。元気が出る話をしてくれると思います。権利を大切にしよう、という話をしたら元気になるのは当然ですしね。

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今週2月7日(土)は朝8時から昼13時までの変則営業です。起きれるのだろうか。というかもしかして雪ですか?ひええ!

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新刊チェック(26/02/22-28に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます

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小鳥遊書房 社会主義下の人間の魂

9784867800980

“芸術、宗教、個人主義、私有財産、利他主義などを横断し、社会主義に共感する明敏な観察者であったワイルドの理想を色濃く伝える批評の新訳”。「社会主義」という言葉や存在そのものへの誤解は深刻なので、とにかく色々な本やらなんやらによってそのイメージ=偏見を変えていく必要があると考えています。クリステン・R・ゴドシーの邦訳『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』『エブリデイ・ユートピア』などと同様に、本書もその一助となってほしい。

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青土社 燃やされた中世写本

9784791777693

“普仏戦争からアイルランド内戦、第二次世界大戦まで、写本や記録文書を消し去ってしまった政治的・軍事的な文脈を丹念にたどることで、失われた写本の意味に迫っていく。史料を守ろうとした学者やアーキヴィストたちの知られざる奮闘にも光を当てる”。本書で言及されているようなものを焚書とか検閲とか言うのであって、たかが書店が「こういう本は置きません」と宣言するただの意思表示を「キャンセル・カルチャー」として認識していると、色々とおかしくなっていくのよね……という話をしているのがアドリアン・ダウプ『「キャンセル・カルチャー」パニックーーパニックを生み出す言説空間』(青土社)で先日開催のイベントです。

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新潮社 名前のないカフェ

9784105902063

“戦争の名残をとどめるウィーンで、孤児院で育った男が開いた小さなカフェ。市場で身を粉にして働く者、盛りをすぎたプロレスラーなどそれぞれ孤独を抱えた人々が、束の間の居場所を求めて集まる”。新潮クレストブックスシリーズっぽい1冊。訳者の浅井さんは最近『ポルトガル限界集落日記』も出しましたね。

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河出書房新社 卵 その誕生がすべてを変えた

9784309310022

“命の源である卵は、地球上にいつ誕生し、いかに進化したのか? 生命誕生から、魚類、昆虫、爬虫類、両生類、鳥類から哺乳類の繁栄前まで。卵の進化から見る、ダイナミックな生命の進化史”。こりゃ気になる1冊だ!最近私の卵アレルギー(鶏卵・卵黄卵白両方)もだいぶ値が下がってきているけれども、調子乗って茶碗蒸し食べてみたら寝汗がひどい日々が続きましたとさ。

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今週のお知らせコーナー

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バリューブックス運営の「本チャンネル」で「発送」について、のべつまくなしぺちゃくちゃしてきました。本屋に限らず、出版社やZINE制作者、フリマアプリ利用者なんかにも役立つ話をしています。そして細かすぎて役に立たない話もしている。もっと細かいことも話したいので続編希望です。

「本屋が「発送」だけで1時間しゃべった結果、“フロンティア”が見つかった」【本屋トーク】02 :本屋lighthouse・関口竜平、TOUTEN BOOKSTORE・古賀詩穂子、双子のライオン堂・竹田信弥

「本屋が「発送」だけで1時間しゃべった結果、“フロンティア”が見つかった」【本屋トーク】02 :本屋lighthouse・関口竜平、TOUTEN BOOKSTORE・古賀詩穂子、双子のライオン堂・竹田信弥

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①定期読書会&イベント関連のお知らせ

・2月21日(土)14時〜16時 高橋くん読書会

→今回の課題本は、丹渡実夢『迂闊 in progress 『プルーストを読む生活』を読む生活』(本屋lighthouse)。満を持しての自社刊行物。1月の開催はスキップして、かつ土曜日開催ですのでご注意をば。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。

・『物語とトラウマ』ゆる読書会はいったん終了。一度別のワークショップ的なものを挟んでから、別のテーマで読書会をスタート予定です。

②〈特別イベント関連〉

・〈今週末・店内イベント〉2026年2月8日(日)19時〜21時 スナック社会科vol.15「風雷社中クラファン応援企画・ガイドヘルプってなんだろう」を開催!これもまた選挙後に続いていく生活=抵抗のための足場のひとつ。詳細と申込はこちらから。基本的には無料で参加できます。

・〈出店イベント〉2月28日(土)11時〜17時、志津スモールBOOKフェス!@ときわ書房志津店に出店します。詳細はこちら。この日は幕張のお店はお休みです。

・〈出店イベント〉3月7日(土)11時〜15時、第23回西千葉ブックマルシェ@西千葉HELLO GARDENに出店します。詳細決まり次第またお知らせします。この日は幕張のお店はお休みです。

・〈出店イベント〉3月20日(金)〜21日(土)両日13時〜20時、北千住BOOK SODOM@北千住BUoYに出店します。詳細はこちら。主催の遊星Dによる書店演劇「書店からきた女」も開演。イベント全体は22日も開催していますが、ブース出店は20日〜21日です。幕張のお店はお休みです。

・〈店頭フェア開催中〉「Write down your voice.」という日記プロジェクトを始めました。この世界を生き抜くための日記。そしてこの世界を変えるための日記。それを私たちの「声」で作っていくプロジェクト。店頭に設置した共有の日記帳に「あなたの日記」を書き込んでいく試み。気軽にそして真剣に、ご参加ください。詳細はこちら

③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。現状iOSのみですが、Androidにも対応予定とのこと。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ

④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです旧ストアは完全に停止しています。TシャツなどのグッズはSUZURIで販売中です。

ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و

⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。

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出版社の方へ:書評や本の紹介記事をこちらのレターにて配信することが可能です。執筆条件はこちらが叩き台になりますので、内容含め気軽にご相談くださいませ。

この新刊チェックは無料にて配信していますが、投げ銭はいつでも大歓迎でございます(50円以上から設定可能ですので、気前が大変よろしいときなどにこちらからお願いします)。

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