新刊チェック(26/09/27-10/03)&お知らせ
昨日、大船のポルベニールブックストアに行ってきました。お店はすでに営業終了していますが、残った在庫の中から本屋lighthouseにあったほうがいいと思うものを中心に30冊ほど引き継いできました。できることならもっと引き継ぎたいけど、物理的なスペースとお金の余裕がないので……厳選して……涙を流し……最終的にペンギンをおひとり連れて帰ってきました。閉店した本屋から備品をもらってくるシリーズ、最新作。歴史の継承。

ポルベニールの店内にいるペンギン。背景は閉店後に残った在庫。

本屋lighthouseに移籍したペンギン。
新刊チェックのニュースレターを毎週流しておいてあれですが、本屋の真髄は「既刊本」にある……ということが閉店した本屋の棚を見るとあらためて体感できてしまいます。こんな本出てたのかとか、そういえばこんなのあったよなとか、そういう「新たな発見&思い出し」が閉店後の在庫が少なくなった本棚からも生まれてくる。だから本当はぜんぶ引き継ぎたいくらいなのだけど……仕方がないのでペンギンのおなかにぜんぶ詰め込んできました。
引き継いだ本は後日入荷予定。ポルベニール金野さんが暇になったら送られてきます。まだオンラインストアは動いているので、みなさんも妖怪ザイコヘラシとなっていただいて……。
新刊チェック(26/09/27-10/03に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
新潮社 社会が壊れるその前に
9784106039539
副題が「メアリ・ダグラスの人類学」なので、この文化人類学者の思想の研究が土台になっているはず……。“私たちは宗教や儀式の束縛から逃れ、自由で優しい社会を築いてきた。それなのに、なぜ強い不全感や孤独感に襲われ、終わりのない自己研鑽や社会変革に駆り立てられるのか。どうして推し活やセカイ系に心を奪われるのか”とあるけども、別に宗教や儀式の束縛から逃れることと自由で優しい社会の構築はイコールではないし、むしろ宗教や儀式であることから「無理に」逃れようとするからこそおかしなことになっていくような気もする。たとえばスポーツ選手がやる「願掛け」的なものは、往々にして「ルーティン」に近づいていきます。そこになんらかの根拠がある場合もあれば、ないときもある。でもそれがその選手にとっては必要なもの=安心するものになっている。これは「宗教や儀式の束縛」ではないのか。これはちゃんと突き詰めなくてはならないテーマのように思えます。本書のメインテーマとは別の話なのかもしれないけど、そうであるならこの紹介文はちょっと迂闊です。そもそも文化人類学というもの自体、宗教や信仰に対して適切なリスペクトを持つことが重要な学問ですから、それらが本質的に悪であるかのように読める紹介とタイトルはよろしくないでしょう。たとえばカリブ海思想の本とかとセットで批判的に読んでみるのがいいのかもしれない。
築地書館 裏庭ワンダーランド
9784806717188
“足元の土に秘められた無限の可能性も、生き物たちと共に生きていくための道も、自然と見えてくる”。副題「人生の宝物になる自然観察のすすめ」とあるけど、本当にそうなるだろうな、と思います。何事もそうですけど、仕組みがわかればすべて面白く思えるようになるんですよね。ただの原っぱとか、「なんにもない」田舎道とか、そういう見方を自分がしていたことが恥ずかしくなるくらいでちょうどいい……。なんらかの商業施設に行かないと休日を満喫できたと思えなくなっている人類!きっと必読だ!なお、最近私が読みたいと思っているのは『フクロウ 地球上で最も謎めいた鳥の科学』。
岩波書店 木がたおれたあと
9784001127188
“夏の嵐でたおれたブナの木。そこには昆虫やカタツムリがあつまり、コケや地衣類、菌類がはえて草花も咲き、鳥やノネズミなど小さな動物のすみかになります。生きものたちのくらしをささえ、新たな命を生み出すたおれた木。生命の循環を美しい絵と科学知識で描いた、ボローニャ・ラガッツィ賞ノンフィクションの部優秀賞作”。子供がなにかをじっと見ている(けどなにを見ているのか大人はわからない)とき、たぶん大人よりもちゃんと世界を見ているので、邪魔してはならない……といったことをこの本の書誌情報を読んでいたら思いました!
KADOKAWA 獣走
9784041170519
“ごく普通の会社員である高木サニーは、ランニング中にふと坂に手をついたことで四足歩行に興味を持っていた”。これは設定が非常に興味深い……期待大……。ルールを決めるというのは、社会の仕組みを作るということなので。ルールといえば、『ルール?本 創造的に生きるためのデザイン』や『ルールはそもそもなんのためにあるのか』とか。
新潮社 新訳版 監獄の誕生
9784105067137
基本的に翻訳ものは新訳になるほど誤訳が減ったり新たな研究成果が反映されたりするので、今回の新訳も期待(前のが悪かったということではなく、よりベターになっていくという意味合い)。しかし旧訳版が5000円+税だったのが、5900円+税とさらに高額に……。仕方がないとはいえ厳しいですね……。とりあえず『はじめて読むフーコー 文庫』から、もしくは監獄の実態について『耐え難いもの 監獄情報グループ資料集1』を読むのもありか。
303BOOKS ちば、しみ、じみ。 時を編む宿
9784909926524
『昭和ディープ街トリップ、335カット 20代女性が小学生から続ける探訪と研究』の明里さん、2冊目です。いわゆる「千葉本」。出版社もオフィスが海浜幕張にある303BOOKS。9月19日(土)にときわ書房志津店で開催のブックフェス「誠にすいませんが閉店します!さよなら、志津BOOKフェス」にて先行販売&明里さん在店とのこと。当店にも入荷しますが、最速ゲットは志津で!
早川書房 北は山、南は湖、西は道、東は川 文庫
9784151201189
『サタンタンゴ』のクラスナホルカイ・ラースロー。2006年に松籟社から出ていたものの版権切れで重版できず……といった状況から早川が再取得で文庫化。しかし値段変わらず!賃金を上げろ!もしくはベーシックインカム!【思い出した本】『東西南北「方位」の世界史』
エイチアンドエスカンパニー あるはずの試み 友田とんエッセイ・小説集Ⅱ
9784910882130
“パックの反対面には様々な情報が列挙されている。成分、製造者やその所在地、「アレルギー物質 乳成分」というもっともな表記もあるが、ここで気になるのが「120℃ 2秒の殺菌」だ。これ自体は見慣れた文言であるが、それをどうやってやっているのか? 鍋でぐつぐつと沸かすのだろうか。それとも、120℃に熱せられた管を2秒で通過させるといったやり方だろうか。わからない。読んだ者に決してわからないのに、決まってこう書いてある。ここにわかりやすさとは無縁の言葉がある”。もうこれだけで素晴らしい。予約受付中。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会&イベント関連のお知らせ
・9月27日(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本はスズキナオ『捨てた紙、捨てられない紙』(和久田書房)。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・9月21日(月・祝)12時〜14時 「文学作品をわからないわからない言いながら読む会」
→今回の課題本はペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(白水社)。詳細と申込はこちらから。
・9月20日(日)14時~19時 刷る刷るクラブ(主催:FROM THE HELL MAGAZINE/ayano)。定期開催になりました。シルクスクリーンでええ感じのデザインを印刷しようぜ〜、というイベント。予約は不要、参加費と印刷したいもの(Tシャツとかトートバッグとか)を持ってきてください。あと世界平和の気持ちね。詳細はこちらから。
②〈特別イベント関連〉
・〈アーカイブ販売中〉9月5日(土)13時〜15時 岸波龍『四坪の本屋はなにを考えているのか』(書肆imasu)刊行記念イベント 「幕張と本郷の本屋はなにを話そうとしているのか」、無事終了しました。アーカイブ購入はこちら。
・〈出店イベント〉9月19日(土)はときわ書房志津店で開催のブックフェス「誠にすいませんが閉店します!さよなら、志津BOOKフェス」に出店しています(幕張のお店はお休み)。詳細は随時更新。
・〈店内イベント〉9月30日(水)終日 こだまさん在店イベント「急に新刊出しまくる」を開催します。読書会風味のトークイベント、こだまさんのレジ打ち、ゲーム大会。トークイベントだけ有料で申し込み必須ですが、そのほかは無料・自由参加です。こだまさんがあわあわしている様子を見守りに来てください。詳細はこちら。新刊『わからないまま母と生きる』(太田出版)も予約受付中。
・〈店頭フェア開催中〉「Write down your voice.」という日記プロジェクトを始めました。この世界を生き抜くための日記。そしてこの世界を変えるための日記。それを私たちの「声」で作っていくプロジェクト。店頭に設置した共有の日記帳に「あなたの日記」を書き込んでいく試み。気軽にそして真剣に、ご参加ください。詳細はこちら。
③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ
④ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑤2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。
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この新刊チェックは無料にて配信していますが、投げ銭はいつでも大歓迎でございます(50円以上から設定可能ですので、気前が大変よろしいときなどにこちらからお願いします)。
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