新刊チェック(25/11/09-15)&お知らせ

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先週もお知らせしましたが、とんでもなく面白い日記本を刊行しましたので5兆人読め、という意気込みです。(意気込み?)
丹渡実夢『迂闊 in progress 『プルーストを読む生活』を読む生活』(本屋lighthouse)
現時点では無名の書き手だけども、有名無名なんてどうでもいいのですよ、とりあえず「ここ最高だな」と思ったとこを表紙に全文引用してレイアウト&印刷しちゃってるから、読んでほしい。もうここから読書は始まっちゃってる。始めさせていただきました。
なお、プルーストのプの字も読んでいなくてもまったく問題なく楽しめます。ソースは私。むしろこれ読んでから(編集作業を始めてから)プルースト読み始めたけど、相乗効果がある。本を読んでいると連想ゲーム的に思い出してしまい、気づくと本の内容そっちのけの思い出に浸ってしまっている、なんてこともあるとは思いますが、その贅沢さをこれでもかと詰め込んだ本書はまさに「プルースト効果」そのもの。本に書かれていることから漂ってくる香りがあるのです。本が好きだ!本を読ませろ!そんなあなたは確実に本書の虜になることでしょう!直接取引にて卸売もしているから、近所の本屋で買いたい人は取り寄せを依頼してみよう!そのときはこのページを見せると話が早いよ!現時点で仕入れてくれているお店の一覧はこちら!
しかし高市政権(維新と連立!?)が発足し、早速排外主義ど真ん中の政策を(おそらくトランプの真似をして)矢継ぎ早に繰り出しているここ数日ですし、本なんか読めねえよくそったれがあああああ!!!!!という方もたくさんいるでしょう。本当に腹がたつ。そして怖いね。ちょっとでも元気が出るように、そして生存=抵抗をしていけるように、というよりもまずなによりも自分のための元気がほしい、と思ったので勢いでこんなのを作っています。

SUZURI用のデザイン画像。XenophobiaとRacismに二重線でNOが突きつけられ、代わりにWe are already here.という文章には同じ二重線がアンダーラインとして強調=肯定のために使われている。
SUZURIでグッズにもしたので身につけたいものがあったらぜひ。このデザインはフリー素材なので、各自好きに使ってもらってOKです。加工もOK。商用利用もOK。独占する意味などないので。
新刊チェック(25/11/09-15に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
CEメディアハウス 老後ひとり、暮らしています。9784484221472
『女ふたり、暮らしています。』の増補新版が直前にリストアップされていておやおやと思っていたら、どうも著者のひとりキム・ハナの母とのこと。“娘に勧められて書いた本書は、ピリリと辛口な文章が話題となり、発売からわずか3ヶ月で10刷を突破”らしい。素敵。
花束書房 戦争と芸術の「境界」で語りをひらく9784991248931
“有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、排外主義を考えるために、さまざまな歴史課題を問い直しながら、差別と忘却に抗う言葉を記録する”。『歴史修正ミュージアム』『戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ』あるいは『大邱の敵産家屋』あたりとあわせて読みたい。
偕成社 ゆき9784033504704
人間が小さく、たぶん顔の表情もわからないくらいに遠景で描かれているのがなんかいいな、と思いました。主人公的な存在がない、というのがいいのかも。話が進んだら出てくるのかもしれんが!
百万年書房 Θの散歩
9784910053684
“大江健三郎、荒川洋治、メルヴィル、カフカ、井戸川射子、加藤典洋、聖書、田中小実昌、武田百合子、村上春樹、ドストエフスキー、小島信夫を読むことが子育てに与える影響についてーー”。ということで編集者の北尾さんが“冒頭数ページを読んだだけで「あ、この作品は間違いない」と思い、刊行を決めました”と語る本書は小説ですが、この「たくさんの本を読んでそれを自分の生活の血と肉にしていく」さまは完全に丹渡実夢『迂闊 in progress 『プルーストを読む生活』を読む生活』(本屋lighthouse)だ!!と思ったのでセットでオススメします。“百万年書房、今年一番の勝負作”なのか……『迂闊〜』も今年一番の勝負作ですし、丹渡さんがしずかなインターネットに綴っていた日記の冒頭数ページを読んだだけで「あ、この作品は間違いない」と思ったことも思い出しました。(θもゲラをもらったので早く読みたいのだが……メルマガ乗っ取り犯め……)
草思社 苦痛の心理学
9784794228048
“心理学、脳科学などの最新研究にもとづき、人間にとっての「適切な痛み」の重要性を説き明かす。痛みを社会性、道徳、快楽、幸福などの観点から考察し、人生における苦痛の価値を問う。『反共感論』で刺激的な議論を巻き起こした著者による、苦痛からみる「逆説的幸福論」”。「適切な痛み」の範疇を超えると人は他者=世界への加害行為に走るのかもしれず(少なくともそのようなパターンは存在しているはずで)、重要書のような気がする。
大和書房 まだまだ大人になれません
9784479394655
“仕事、友情、恋愛、自分探し、コンプレックス──30代兼業文筆家が、ままならぬ日々を息継ぎしながら生きのびるための、メンタルリカバリーエッセイ”。予約受付中の『虚弱に生きる』とあわせて読めばきっと元気100倍。元気ってなんなんだろうね。その定義から再考しておかないと、「ワークライフバランス」とやらも空虚なものになるよね。私は「ライスライフバカンス」がいいんですけどね。意訳すれば「はたらかないで、たらふく食べたい」。これもステッカーとかにしようかな。
みすず書房 祖国のために死ぬこと 新装版
9784622098263
“戦いで死ぬことが、なぜ神聖な行為とみなされたのか。中近世史家による、国家の象徴儀礼の研究”。国旗損壊罪とか言い出してる政権下では急速に戦争の影が忍び寄ってくる、というか影どころじゃなく本体そのものですよね。なにが「祖国」じゃ。国境を廃絶しよう。
みすず書房 見知らぬ人を認識する パレスチナと語りについて
9784622097754
“パレスチナの人を消し去ろうとする支配的な語りをいかにして解体するか。その転換点はどこにあるのか。文学の視点から暴力の発生地点をみつめる”。翻訳・解説は岡真理。とにかく重要書。112ページで税込2970円は決して安くはないけど、みすず書房なりにどうにか価格を抑えようとしている気もする。予約受付中。
岩波書店 想起のトポグラフィー ホロコーストの記憶と空間実践
9784000237499
“自国の負の過去をなぜ/どのように想起するのか―― 壁崩壊後のベルリンに誕生した、ナチズムの記憶を新たに刻むミュージアム、記念碑、パブリックアートの数々。「ヴォイド=空隙」が散りばめられたこの否定的風景に、集合的記憶を開こうとした人々の挑戦の軌跡を読み解く”。これもまた『歴史修正ミュージアム』の類書ですね。
書肆侃侃房 夜明けと音楽
9784863857032
“結局のところ物を書くというのは、よく知っている単語の中に、自分の悲しみを見つけること”。『迂闊〜』じゃん、と思いました。“ロングセラーエッセイ『詩と散策』(ハン・ジョンウォン)と並ぶ、“言葉の流れ”シリーズの代表作”と紹介もあって、納得。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会&イベント関連のお知らせ
・10月18日(土)16時〜18時 高橋くん読書会 *曜日と時間がふだんと違います!→今回の課題テーマは「おもしろい小説」とのこと。なお、高橋くんは兒 余『九龍城砦1 囲城』(早川書房)を買っていきました。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
②〈特別イベント関連〉
・〈店内イベント〉2025年10月26日(日)14時〜16時 「スロー・ルッキング」ワークショップ第1回→シャリー・ティシュマン『スロー・ルッキング よく見るためのレッスン』(東京大学出版会)を題材にしたワークショップで、全3回の予定。端的にまとめると、よく見て書く。講師は“せっかちで、ホラー映画とプロレスを同時に再生しながら本を読んだりするので、碌にものを見ていない”柿内正午。詳細はこちらから。
・〈選書イベント〉2025年11月15日(土)クレオパトラブックス選書祭@本屋lighthouse、開催します。人気の選書イベント、当店にて2回目の開催です。詳細&申込はこちらから。
・〈出店予定〉2025年11月22日(土)西千葉で開催の「ふふふ文化祭」に出店します。本以外の出店やイベントも盛りだくさんの、けっこう大きなお祭です。2年前の第1回開催にも出店してました。詳細はこちらから。この日は幕張のお店はお休みです。
・〈出店予定〉2025年11月23日(日)文学フリマ東京に出店します。詳細は公開され次第お知らせします。この日は幕張のお店はお休みです。
・〈新規店内イベント〉2025年11月29日(土)15時〜17時『まちは言葉でできている』(柏書房)刊行記念イベント「まちの記憶をひらく:共に語り、記録するという抵抗」開催します。詳細と申込はこちらから。
・〈新規イベント/会場は奈良〉2025年12月14日(日)、今年も奈良の「ほんの入り口」にてイベントやります。「関口と入り口2025ーーへロヘロたちの集い」今年は奈良マラソンを走ってからの開催。どういうこっちゃ?詳細と申込はこちらから。
・〈新規イベント/会場は名古屋〉2025年12月16日(火)、奈良に続いて「TOUTEN BOOKSTORE」にてイベント開催。「あなたも、わたしも、あの人も!みんなで生き残る会議」。真面目に楽しく、楽しく真面目に、この世界を考える時間。詳細と申込はこちらから。
・〈店頭フェア開催中〉「わたしのみすず書房」フェア、やってます。フェア特別冊子「わたしのみすず書房」は単体購入300円税込、当店ではみすず書房の本を購入いただければ無料贈呈としています。ウェブストアにもフェアページを作りました。また、「これを機にみすず書房に挑戦だ!」という方がいらっしゃいましたら、店頭にない本も取り寄せ可能ですので気軽に連絡ください。
③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。現状iOSのみですが、Androidにも対応予定とのこと。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しています。TシャツなどのグッズはSUZURIで販売中です。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。mixi2も。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。
リスタート号、気合い入れて作成しました٩( ᐛ )و
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