ひきこもりながら考える #18 / そのひぐらし商会

水戸に梅まつりというものが春の訪れとともにやってきた。そして終わった。梅は桜よりも最高と言って憚らないわたくし水戸のひきこもりこと、そのひぐらし商会です。皆様、この不安定すぎる毎日、不正義がまかりとおる毎日をどうお過ごしでしょうか。真面目に考えれば考えるほど、しんどい毎日に顔を背けたくなる日もあるかと思います。そんなときはご自身のことだけ考えて、そっと休憩してくださいね。私もずっと考えすぎて体調を崩しましたので。デモもたくさん行われ、民意を無視した高市政権の暴走に日本で暮らす人間が必死に抵抗している最中、少しでも日本で暮らす庶民のための政策、安心できる生活が取り戻され、さらに生活、人生がよくなりますように、願いを込めて人生で初めてデモに参加した日のことを書こうと思います。デモに参加したのは今年、2月でした。それまでひきこもりということもあり、大人数の場所が怖く、参加してこなかったデモ。それでももう、数の力で声を上げる1つの光になるしかあるまい、と行ってきました。
デモの輝きと生活
2月、私たちは大雪という災害や大義なき衆議院解散という人災に巻き込まれ、それでも超短期決戦の投票をしなければならなかった(私はまだこの選挙が違憲であり、無効だと思っている)。蓋を開けたら、自民党と維新など激ヤバ連立政党の圧勝。私は少し寝込んだ。結果に惨憺たる思いを抱き、これからも声を上げ続けていかなければいけない、本当の戦いはここからと思いつつも落ち込んでしまった。日本で暮らす人々を向いた政策を本当に実現する気がないと選挙前から観察していたら、自民や維新に投票する人間はいなかったはずだ。しかし投票する人間はいた。それを見て日本で暮らす人間たちは本当に政治について考えることができない、考える余裕を奪われてしまったのだと、泣いた。今、高市首相は「民」ではなく、「国」を豊かに、強くすることに取り憑かれている。国旗損壊罪の法制化、憲法改正、国家情報局の承認、アメリカの武力による平和を肯定するかのような発言。衆議院議員定数削減も水面下で動いている。存在しない敵への不安以外、感情をなくせと言われているような政策の嵐に、むしろ私は不安になる。これまで、こんなに戦争が近いと思ったことはなかった。戦争というか、人殺しに加担する国に住む人間として生きなければいけないと思っていなかった。私たちには憲法9条があるから、また憲法99条があるから、「殺傷能力のある武器の輸出反対!」「自民党改正案による憲法改正反対!」と、こんなことに声を上げなければいけなくなるとは思っていなかった。毎日のように最悪なニュースが流れてくる。高市早苗氏は私たちの生活よりもアメリカとの友好関係(トランプ氏のご機嫌とり)に夢中で、また軍拡に夢中だ。物価高に円安、実質賃金が30年にわたり上がらないままの庶民の暮らしが苦しいとは想像もつかないのだろう。
デモに向かう際、国会議事堂前には手ぶらで、プラカードもペンライトも鳴り物も何も持ってはいかなかった。私がただ行くだけ。それでいいと思った。国会議事堂前駅から地上に向かう中、既にたくさんの人間が集結し、私は「デモの場所はここであっている、よかった」と安心。そして歩けるだけ歩いて議事堂近くまで行く。正直どこで整列が行われているかよく分からなくて、割り込んでしまった可能性はあったが、ちょこんと列に加わる。周りを見ると、自作の簡単なプラカを掲げている人がたくさんいた。もちろんペンラも持っている人が多かった。しかし、コールをしたり色んな人のスピーチを聞いたりしている最中、私は不安ではなかった。ここにいる人々は私と同じ、平和憲法を守りたい人間だ。ひとりで参加したが、別になんてことはなかった。行ってよかったと思いながら帰路に着く。スピーチで得られる知識や物の見方もあり、勉強になったというと変だが、よく分からない満足感があった。このときの参加人数は2700人くらいだったそうだ。もっといたような気もする。皆が掲げるプラカ、ペンラの輝き、思いが強くて一体感もあった。
それから3月はYouTube視聴でデモに参加し、4月はまた国会前のデモに行った。全て手ぶらというか私がそこにいて賛同していたというだけで、アピールとしては弱かったかもしれないが、どんどん増えるデモの参加者に悲しくなった。本当ならこんなに多くの人間が普段の疲れた日常のなかに、政府に対して怒りの声を上げるデモになんて参加したくないのだ。2月から高市政権はよくなるどころか悪くなっていっている。これから声が届いて、デモをしなくてもよくなる社会を目指して。私は少しの可能性にも望みを託したい。高市首相は憲法守れ、自民も維新も憲法触るな。
日本に「春」が来る様子が、残念ながら遠い景色に見えています。我々はどこで働いていても、働いていなくても、命や人権を尊重されるべき個人です。税金だけ徴収されて選挙権がない人も主権者で、当たり前に選挙権をよこせと思っています。来日して7年の芸人の先輩が「選挙権はない」と笑いながら言ったとき、心臓を掴まれる思いがしました。同じ日本で、同じように生活しているのに、生まれや国籍で選挙権の有無が決まる、そんなことあってはいけないと思います。いろんな場所で暴れ散らかして、思想犯で捕まる前に逃げましょう。私は漫談でも抗い続けます。決して権力に阿ることのない人生を歩みます。諸君らにおかれましても、現状維持をよしとせず志高く、安心して猫ちゃんを撫で、犬さんに顔を埋める生活を求めていきましょう。ホトトギスの求婚の歌声に耳をそば立てて、平和だなと言う権利があります。我々には自由に暴れて、暴走する権力を止める義務があります。それでは布団の中から蜂起するひとりとして布団へ帰ります。世界平和を希求しつつ、おやすみなさいませ。

参加したデモの様子。夜、「総理官邸前」という標識のある交差点の下。プラカードなどを掲げる人たちの後ろ姿。
RIKO そのひぐらし商会
Twitter:@Handtomouth_Co
Instagram:@r_roroyyr
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