新刊チェック(26/03/15-21)&お知らせ

「SNS」に染まらない
本屋lighthouse 2026.02.25
誰でも

茨城県が条例として実施しようとしている不法就労外国人の通報制度に対するパブリックコメントの募集が始まっていたので、送付しておきました。実際の文面は少し長いので、メルマガのラストに載せます。

*私は「3 御意見の提出方法→エ いばらき電子申請・届出サービスによる場合」で提出しました。

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スナック社会科・サトマキさんの記事がわかりやすいので一読をば(私もパブコメ内で「これ読んでみて」と最後に記載しました)。

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パブコメ、基本的には「職員」が読むものであることを意識したほうがいいと考えています。路上でのデモやSNSでの「カウンター」ではないので、そういう場面でウケる言葉やテンションで書くのはむしろ逆効果だとも思います。

反差別の文脈から提出している人はもちろん、差別したいという欲求のもとでパブコメを送る人もいるわけで、いずれにせよ大量に送付されてくる意見を読む職員は疲弊するわけなので、そのあたりを慮って文章を紡ぐのがよいのではないでしょうか(つまり「この文章は読みたい」と感じられるものにするということ)。

差別ど真ん中の政策を実施しようとしている自治体の職員が「全員」そのような思想に染まっているわけではもちろんないし、職員の中にも反差別の意識で動いている人もいる。そしておそらく大半は「これまで特に関心を持つこともなかった」「普通の人たち」です。その人たちにこの政策の問題点、あるいはどのような悪環境が生じてしまうのか、といったことを「イメージしてもらう」ことが大事なのだと思います。イメージができなければ、その先にある理解もありません。この人の話は自分にもわかる気がする、もう少し聞いてみたいかもしれない、そのように思わせる言葉・文章が必要です。「すでにわかっている」人にだけ伝わる語彙で書いても意味がないし、そのうえ「理解できないお前が悪い」というような態度をとってくる相手の話は、聞きたい=理解したいとは思えないので。SNSでの発信もその点を意識したいですね。自分の投稿は、想像以上に届いちゃってる。そこには投稿の「文脈がわからない」人もいますから、その人たちが誤解してしまう余地はできるかぎり少ないほうがいい。

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・〈出店イベント〉2月28日(土)11時〜17時、志津スモールBOOKフェス!@ときわ書房志津店に出店します。詳細はこちら。この日は幕張のお店はお休みです。どうも雨っぽくて日野さんが泣いてる。だけど屋内だから雨でも開催。

・〈出店イベント〉3月7日(土)11時〜15時、第23回西千葉ブックマルシェ@西千葉HELLO GARDENに出店します。詳細はこちら。この日は幕張のお店はお休みです。こちらは雨だと中止……その場合、本屋lighthouseを会場にすればいいのかもしれない……。

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新刊チェック(26/03/15-21に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます

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書肆侃侃房 素面のダブリン市民

9784863857209

“大学のサバティカル(在外研究)で1年間ダブリンに住むことになった英文学者のアイルランド滞在記。文学、ことば、劇場から、最悪の住宅事情に、紅茶論争、ポテトチップス文化まで”。北村さんの新刊はダブリン滞在記。実は私もダブリンには3週間ほど(お試し留学みたいなもので)学生の頃に滞在していましたので、私の滞在記が聞きたい方はお声がけください。ビビりすぎてほとんど冒険せず、学内購買にある硬いパンのホットドッグばかり食べてた話とかできます。サイン本にて予約受付中。3/29には別件で北村さん登壇のイベントもあります。ナイスタイミング。

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岩波書店 触発する言葉 文庫

9784006004934

“既存の権力に支えられ、差別を再生産する言葉。一方で、社会を触発し、変化をこじ開ける力をもつのもまた言葉である。なぜ言葉は人を傷つけることができるのか。言葉と行為の関係に迫り、言語の政治性を縦横無尽に論じる本書は、緻密な理論が政治参加になりうる可能性をも示す。バトラー初の文庫化”。『バトラー入門』読み逃してた人はここで……私のことです……。

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集英社 本を読んだら散歩に行こう 文庫

9784087448740

本の内容とは関係ない(あるかもしれない)けど、本を読んだらSNSを開かずに(開いたとしても本の感想だけを記録できるアプリ、ブクログとかReadsとかにして)散歩する、というのは本当に必要なことだと思う。

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地平社 学費値上げに反対します

9784911256428

“今、次々に学費値上げが強行されている。だが、これで終わりではない。学べることが当たり前の社会を築くため、私たちにできることとは――。声を上げざるを得ない構造に抗い、未来を諦めまいとする学生たちの希望の営み”。当店出版部からは『東大の学費値上げから考えるZINE』も刊行しています。こちらもあわせてぜひ。

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秋月圓 虫の時間 往復書簡 こだまといりえ

9784911688045

“エッセイストの「こだま」と、神保町にて間借りで本屋を営んでいた「いりえ」による一年半の往復書簡。一度しか会ったことのない二人は、いつの間にか友人にも話さないような悩みを明かす”。予約受付中。こだまつり(祭)はまだまだ続く……『けんちゃん』もよろしくね。『けんちゃん』副読本は絶賛製作中。

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今週のお知らせコーナー

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仲西森奈『ホームページ』(本屋lighthouse)関連のイベント、2本開催します。詳細は確定次第あらためてお知らせしますが、

・4月11日(土)昼 本屋lighthouseにて

・4月12日(日)夜 都内の本屋にて

開催予定です。ヨーチェケカモンナ!

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①定期読書会&イベント関連のお知らせ

・3月28日(土)14時〜16時 高橋くん読書会

→今回の課題テーマは、「ここ最近の読書」。3月20日〜22日に開催の北千住BOOK SODOM@北千住BUoYにも高橋くんが演者として出演することもあり(稽古!)、ゆるめのテーマでゆるりとやります。土曜日開催なのでご注意をば。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。

・『物語とトラウマ』ゆる読書会はいったん終了。また別のテーマで読書会をスタート予定です。

②〈特別イベント関連〉

・〈出店イベント〉2月28日(土)11時〜17時、志津スモールBOOKフェス!@ときわ書房志津店に出店します。詳細はこちら。この日は幕張のお店はお休みです。

・〈出店イベント〉3月7日(土)11時〜15時、第23回西千葉ブックマルシェ@西千葉HELLO GARDENに出店します。詳細はこちら。この日は幕張のお店はお休みです。

・〈出店イベント〉3月20日(金)〜21日(土)両日13時〜20時、北千住BOOK SODOM@北千住BUoYに出店します。詳細はこちら。主催の遊星Dによる書店演劇「書店からきた女」も開演。どうやら劇団の大道具係が今はなき本屋lighthouse小屋本店をイメージしたセット(販売スペース)を作ってくれるみたいです。ほかの出店本屋もそれぞれの個性や成り立ちをイメージしたものになるとのことで、なんかもうね、これはすごいブックフェスになる確信しかありません。100億兆人やってこい!イベント全体は22日も開催していますが、ブース出店は20日〜21日です。幕張のお店はお休みです。

〈店内イベント〉2026年3月29日(日)13時〜15時 『男と女とチェーンソー――現代ホラー映画におけるジェンダー』刊行記念~ホラー映画を生き残るには?ファイナル・ガールの誕生と成長、その周辺~、開催します。登壇者は訳者の小島朋美さんと北村紗衣さんです。詳細と申込はこちらから

・〈店頭フェア開催中〉「Write down your voice.」という日記プロジェクトを始めました。この世界を生き抜くための日記。そしてこの世界を変えるための日記。それを私たちの「声」で作っていくプロジェクト。店頭に設置した共有の日記帳に「あなたの日記」を書き込んでいく試み。気軽にそして真剣に、ご参加ください。詳細はこちら

③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。現状iOSのみですが、Androidにも対応予定とのこと。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ

④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです旧ストアは完全に停止しています。TシャツなどのグッズはSUZURIで販売中です。

ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و

⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。

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出版社の方へ:書評や本の紹介記事をこちらのレターにて配信することが可能です。執筆条件はこちらが叩き台になりますので、内容含め気軽にご相談くださいませ。

この新刊チェックは無料にて配信していますが、投げ銭はいつでも大歓迎でございます(50円以上から設定可能ですので、気前が大変よろしいときなどにこちらからお願いします)。

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不法就労外国人の通報制度に対するパブリックコメント、実際に送った文面(参考にどうぞ)。

本条例制定の理由・背景に「急激な人口減少に伴う人手不足が大きな問題となる中、県では、本県産業を支える優秀な外国人材を確保するため、外国人材から選ばれる県づくりを目指し、各種施策を推進してきました」とありますが、本条例ではその効果は期待できないどころか逆効果だと考えます。以下、その理由です。

不法労働者の通報を促す方法、そのうえ通報者に報奨金が支払われる仕組みでは、(1)報奨金目的の精度の悪い通報が激増し、担当部門の業務負担が増える(2)市民どうしが疑心暗鬼になり居心地の悪い生活空間になる、といった結果が予測されます。

そんなことはない、そんなことにはならない制度設計をする、と大井川知事は考えているようですが、それならまずは茨城県の各自治体で「業務時間中にサボっている職員を通報する制度」を報奨金ありで実施してみるとよいのではないでしょうか。もしかしたら茨城の職員さんは誰もが心優しく不正もしないのかもしれず、1件も通報は来ないかもしれませんが、それでも役所の空気は悪化しますし、そのような悪環境で働くことは誰でも嫌ですから、優秀な職員含め徐々に離職していくことになるのではないでしょうか(少なくともそのような制度が存在している職場に入りたいと思う新卒や中途の方は少数派でしょうから、優秀な人材も入ってこなくなります)。とりあえず、県の職員さんたちに「業務時間中にサボっている職員を通報する制度」を実施してよいかアンケートをとってみてはいかがでしょうか。やるべきではない、という回答が多数を占めると思います。

ならばなぜ「外国人」相手ならやっていいと思えるのか、という話になります。つまり明確に「差別」なわけですが、それを指摘するパブコメは多数寄せられていると思いますので、ここでは「日本人である私たち」にもデメリットがあるという点に注力しておきます。

本制度が実施された場合、外国人労働者がいる地域の空気は悪化します。外国人労働者がひとりもいない地域は存在しないでしょうから、茨城県全域で住民同士が監視し合う状況が生じることになります。たとえば「外国人」であることを見分けるにはどうすればいいのでしょうか。見た目でしょうか?戸籍でしょうか?外国人のような見た目をしている日本人もたくさんいますし、すでに日本国籍を取得している外国ルーツの方もいます。つまり、どこまでが日本人でどこからが外国人なのかを的確に判別することは、現実的にも制度的にも不可能です。

そして通報制度は徐々に密告制度になっていきます(このような制度は善意よりも悪意が勝ってしまうのです)。そうなると、「外国人のような見た目をしている人と一緒にいる人」も監視と通報の対象になります。つまり、自分は完全な日本人だから関係ないと思っている人も含めて全員が、疑いの目で見られ、ただ一緒にいたというだけで通報されるようになります。そんな環境で生活したいと思う人はいるのでしょうか。茨城県の人口は、外国人日本人問わず減少していくことになると思います。私はいま千葉県民(で一度も外国人だと思われたことのない日本国籍保持者)ですが、本条例が実施された場合、茨城県に引っ越すという選択肢は消えてしまいます。

こういった結果は知事が(そして職員や茨城に住んでいる人たち全員が)望んでいることなのでしょうか。

また、不法労働者を減らしたい(そして優秀な外国人労働者を増やしたい)のであれば、別の方法をとったほうが確実に効果が出ます。そのことに関しては知人がわかりやすい記事をまとめてくれているので、こちらをぜひ読んでいただければと思います。

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